2018/04/19

PYLON


PYLON というウォッチバンドを発売しました。

PYLON はアウトドア向けにデザインされたウォッチバンドです。コンパスや温度計等、一般的なアタッチメントを2個程度固定することが可能です。固定に面ファスナーを使用し、手首のサイズに合わせて無段階に調節可能です。バックを保護する幅の広いストラップは、適度な硬さの素材により締め付け過ぎることなく、時計の位置を一定に保ちます。

昔から、文字盤をカバーする所謂コンシールタイプと呼ばれるウォッチバンドを収集していました。これらは反射を殺すスナイパー用との説明が謳われがちですが、ノイジーなベルクロが多用され実際には気分の商品、或いは時計の保護を目的とした商品でしょう。映画ではターミネーター2のサラ・コナーが脱走後に身に着けていました。トリチウム管のアナログとの組み合わせはとても相性が良いように思います。

SUUNTO CORE を手に入れた頃、純正のバンドはいずれもしっくり来ず、サードパーティを渉猟するハメに。コンシールタイプのコレクションと合わせてみたのですが、サイズ的にまともにフィットするものが有りませんでした。また、デジタルコンパスは、フィールドに出るとたまに嘘をつく様で、バックアップとしてアナログのコンパスをアドオンする必要を感じていました。


SUUNTO VECTOR 全盛の頃、話題になった KAVU のウォッチバンドも試したのですが、つけ心地は良いものの脱着時に時計本体の脱落の可能性が高い様です。面ファスナーは長く日常的な脱着が煩雑でした。

MAGFORCE MF-3402 は PYLON の原型になったウォッチバンドです。赤羽のトルーパーズで見つけて半年程使っていました。縫製も素材も男性的でクールなプロダクトです。

しかしながら、MF-3402 には欠点もありました。素材のナイロンは日本国内で見かけるものよりも極端に目が詰まり硬く、肌の弱いユーザーには厳しい使用感です。フライトジャケットの様なニットの袖口を傷めることも問題です。イビツな処理の両端のアールの修正は容易ですが、ブランドロゴの入ったタグが面ファスナーの接合を減らす位置にあるのも気になります。日常的に使う中でファスナーのフック側がヘタっても、縫製され一体化しているために交換ができません。フック側を切断してより長い面ファスナーに交換した所、アドオンを取り付ける面積が手に入ることに気づきました。

PYLON は KAVU や MAGFORCE のアップデートです。素材や構造を見直し、面ファスナーもフック側ループ側共に耐久性の高いものを採用。ラグ幅に合わせてフック側のサイズを変えられます。耐久性と快適さの両立というEDCを強く意識し、更に拡張性を用意しました。

https://aoiindustries.tumblr.com/post/173017180484/