今年2009年に発表されたCiro Line 285というキックボードが有りまして...
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ここまでミニマルにしてしまうと、工業製品というよりも趣味の工作という言葉が似合います。
ハンドルポストの高さの変更は出来ない模様。ハンドルポストはロックせずに、進行方向に倒れない様に稼動範囲をワイヤーで制限している程度。鉄と思われるプレートの弾性を利用してステアリングとしています。これは片持ちなので、左右それぞれのカーブ時にウィールベースが変わります。デッキからウィールまでに妙に距離があるのは、強度と弾性のバランスから、このサイズで無いと人間の手の力でステアリングを切る事が出来ないからだと思われます。
Razorをベースに発展してきたキックボードですが、直列2輪の場合、自転車用のオーバーサイズ・スレッドのヘッドセットと、専用のフォークを採用する事が通例でした。デッドコピーを作ってきた様々な会社も、この構造を簡略化することはして来なかったのですが、Ciro Line 285のステアリングのアイデアは非常に大胆です。キックボードの様な低速の乗り物では少々の癖は気にしないと判断されたのでしょう。
デッキもリヤも片持ちで板材を加工したフェンダーブレーキが付いています。ブレーキからはスプリングが省略され、アルミの弾性を利用したシンプルな構造。
デッキに滑り止めも兼ねて、パンチングメタル状の肉抜きがあったら格好良いとも思いますが、構造を見ると持たなさそうですね。
前後それぞれのアクスルを保持するパーツが、5mm程度の厚みの鉄とアルミ材となっており、耐久性の部分、また通常の乗車時にどれ位の歪みが発生するのか、非常に気になります。推測すると、保持しているパーツから35mm位の箇所にナットが来ると思われ、保持しているパーツが硬ければ、簡単にはめげないという事で成立させているのかも知れません。断面が大きくなるように工夫されたスペーサー等が隠れている可能性もあります。
またウィールは52mm幅で直径85mmのスケートボード用を使用しており、所謂、Razor等とは違う乗り味かと。
これで約25,000円。僕はまだ気軽に買えないですが、ハンドルポスト部分等を見直して1kg台に軽量化できれば、好きじゃなくても携帯できる乗り物になりそうな可能性を感じます。
更に携帯に特化するとしてしまえば、デッキ長やデッキ幅を見直し、よりフレームへの負荷が低いと思われるインラインスケート用のウィールの使用等、重量・サイズ共にまだまだ削れるでしょう。