2016/06/02

JD RAZOR MS-130A Slim Deck (Tokyo Explorer)

2015年に作った、JD Razor MS-130A 用のリプレイスデッキが重かったので、設計を見直してアップデートしてみました。折畳み機構を構成するデッキ側の2枚の羽が 7mm 厚だったので、ここからリアホイールまで延びる全てを7mm厚で統一したデザインを見直し、ベースブロックに段差を設けて、ビーム部分を 5mm にダイエットしました。置き換えたパーツはベースブロックとビームとスペーサー関連です。


まずは 7mm 版の分解。ベースブロックを貫通する M6 のボルト4本を抜きます。


溶接されたオリジナルとは違い、micro 風に各ユニットがバラバラにできます。フレーム自体にネジが切ってあり、ナットは使用しません。ボルトもローゼットワッシャーと皿ボルトを使い、蹴り足の動線にナットやボルトの頭を極力出さないこと、またアウトラインを滑らかにすることで、不慮のトラブルや接触に因る怪我を減らすことが出来ます。


ベースブロック2種。左が5mm版で右が7mm版。差分の2mm分ビーム接合部が一段上がります。


デッキ側の2枚の羽とベースブロックを組んだ状態。


ビームも合わせます。それなりにカッチリ。


ビームの歪みを抑制するボルト用のスリーブ。内径6mm外径10mm。ビーム間の距離が2mm x 2mmで4mm増えたので作り直し。面にする為に太く、念のためステンレスで。


ビームからウィールまでの距離も変わるので、コニーデ型のスペーサーも作り直しました。ウィール周りはテンションをかけないので、こちらはアルミ製。


左が5mm版用スペーサーで右が7mm版用スペーサー。かなりプロポーションが変わりました。micro のスクーターでは一部コニーデ型が採用されていますが、プレスのスチール製でスペーサー内部はアクスルと接触しておらず、正しく使用されている状態でも変形に弱い構造です。コニーデ型はムクであればパイプ型よりも捻れに強く、ベアリングの性能を引き出せます。アクスルの垂直をベアリング直前迄フォローでき、重量増も僅か。トリック用途でも有効なデザインだと思います。


ウィールを取り付けた所。ベアリングのインナーパイプのみにぴしっとスペーサーが固定され、余計なフリクションを発生させません。


上が 5mm 版ビーム、下が 7mm 版ビーム。スペーサー類やベースブロックの太らせた部分での僅かな重量増も有りますが、ビーム部で 30% 程削れました。


以前に作った micro sprite のナローデッキとの比較。ビームの厚みが同じになりました。実質的に、micro の第一世代と第二世代の二者で、構造が全く違います。溶接工程の多かったデザインから、ボルトオンに切り替える事で、品質とコストを抑制しようとした事は良かったと思います。しかし、中国生産時の押出し材やダイキャストの質がデザインセクションの予想を超えて悪かったか、マージンを少なく取り過ぎていたのか、未だにセンシティブな乗り味です。対策は講じられている様ですが、更なる各部の肉厚と精度の向上が期待されます。

折畳み機構のデザインは MS-130A が優れていると思います。micro ではフロントウィールが受けるショックを薄い押出し材が断面方向に受けるデザインになっています。見た目と重量は素晴らしいのですが固定の方法がショックに弱く、またそれを格納するハウジング自体が十分な強度を備えていない様に感じます。

推測と想像になりますが、時代的に製図板と現物合わせで作られたであろうMS-130Aは、事故を恐れて必要充分に肉厚のあるデザインになっており、少々の品質の低下をスルーできたのではないでしょうか。逆に micro sprite は CAD や純正のチャートを参照してデザインされて、素材品質の低下による問題を避けられなかったのではないかと…

勿論 MS-130A がパーフェクトだという訳ではなく、早々にレバーを一つ減らされ、どの時期にもリヤホイールのハウジングが歪んだ個体が続出していた様です。MS-130B では押出し材を大胆に使用する事でハウジングの問題を解決しましたが、Wレバーのモデルは登場しませんでした。以降は原価を抑えやすいスチール化されたバリエーションの登場を経て、概ね玩具化していきました。この点では micro がハイティーンからアダルトまでのマーケットを意識し続けていることは非常に評価できます。